詳細
(1)
使用する材料・道具類
・顔料
・体質顔料(沈降性炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカなど)
・展色材(乾性油に樹脂類、助剤などを加え、加熱して溶解したもの)
・空チューブ
・ペインティングナイフ、スパチュラ(ペンキ練り)、練り篦
・顔料すくい
・練り棒
・ガラス板(石板などでも良い)
その他 防毒マスク、保護手袋、作業着、洗浄用の溶剤やウエスなど
(2)
顔料を取り出し、中心にくぼみを作る。
顔料のくぼみの中に展色材を入れる。
展色材は好みや用途に応じて、乾性油に樹脂やミツロウなどを加えても良い。
2〜3%のダンマル樹脂やマスチック樹脂を乾性油に加熱溶解したものは光沢が増す。4%前後のミツロウを溶解したものは、ややツヤ消しでコシのある油絵具になる。
これらの材料は、適量であれば油絵具に特徴をメリットとして与えることができるが、過剰に使用すると耐久性が低下したり、油絵具を不安定にするため分量に注意する。
(3)
スパチュラで顔料のくぼみを外側から崩し、顔料と展色材を練り合わせる。
この段階ではやや硬い練り具合が望ましい(このあとに練り棒で練ると絵具が軟らかくなる色があったり、後から練り具合を調整しやすいため)。
(4)
油絵具を作る際は、体質顔料の使用を勧める。
顔料全体の重量に対して6〜12%の体質顔料を加えることで顔料の分散性が向上し、絵具の耐久性が増す。
体質顔料は油と混ざると無色透明になるため、白として色に影響することは無い。
ただし過剰に体質顔料を使用すると油絵具の発色が低下するので、使用は最小限に抑える。
(5)
油絵具を少量ずつに分けて練り棒で練る。
最初は8の字を描くようにガラス板に絵具を薄く広げ、徐々にしなやかな円を描くように練ると効率が良い。
絵具のダマが無くなり、 徐々に光沢が均一になる。
最初に少量練った油絵具の練り調子を確認し、絵具が硬すぎる場合は展色材を加える。絵具の光沢が強く、軟らかすぎる場合は顔料を加える。
(6)
練り終えた油絵具をガラス板に薄くのばし、絵具に含まれている空気を抜く。
この際に、異物の混入が見られる場合は取り除く。
(7)
油絵具をチューブに詰めるのには、細めのペインティングナイフが適している。
絵具を空チューブに詰めていく際にキャップ側をトントン叩くと、絵具がスムーズに中に入りやすい。
(8)
油絵具をチューブに詰め終えたら、平らなペンチなどでチューブの尻を折る。
2〜3回折ると絵具がチューブ内に密閉される。
(9)
40mlの油絵具(ウルトラマリンブルー)が完成。
絵具を詰め終えたチューブにはシールなどを貼り、色や使用材料の名前などを書く。
※顔料の中には人体に有毒なものがあります。
作業時には、品質認定された保護マスク、ゴム製やプラスティック製の保護手袋、作業着を正しく着用して下さい。
※有毒な顔料の操作は、生活空間から隔離された、二次汚染の恐れのない場所で行います。
※この処方で生じた如何なる損害に関しても、責任を負いかねます。全て自己責任にて実行して下さい。
また、実際に行う際は火災や怪我のないよう、十分注意して下さい。